【HR/HM】2021年に聴いてハマったアルバム9選+2【プログレ】
前書き:学生時代の曲を振り返る機会が増加
「2020年に聴いてハマったメタルバンド4選」に引き続き、今年は2021年に聴いてハマったアルバムを取り上げようと思います(1年の振り返り)。
31歳という年齢のせいか、最近は学生時代(90年代後半、2000年代前半)の曲が刺さります。GLAY、B’z、Kinki Kids……しかし、なるべく聴かないようにしています。理由は、以下のツイートの通りです。
今聴いている新しい音楽も10年後に懐メロとして心に響く筈なので、古い音楽よりも新しい音楽を積極的に聴いて、将来の懐メロプレイリストを拡充したい。
— Nao31@US配列には勝てなかったよ (@ARC_AED) October 23, 2021
見方によっては、「2021年は義務感に駆られて新しいアルバムを聴いていた」と言えます。そんなオッサンの私が、9枚のアルバムを紹介します。2021年にリリースされたアルバムではなく、私が2021年に聴いたアルバムですのでご注意ください。
The Ultra-Violence(DEATH ANGEL)
The Ultra-Violenceは、1987年リリースのDEATH ANGEL 1stアルバム。レコーディング時のメンバーは平均年齢が20歳以下という若さであり、演奏やボーカルから若さがヒシヒシと感じ取れます。ボーカルのシャウトは、スクリームというより金切り声(奇声)に近い。だが、それが良い!
楽曲の構成は安直な印象を受ける部分(リフを段々速く演奏する等)もありますが、ストレートなスラッシュメタルは聴いてて心地良いです。個人的には、The Ultra-Violenceは2021年に聴いた中でベストアルバム。惜しむらくは、この音楽性は次作以降で薄れ、3rdアルバムではファンク要素が強くなってしまいます。そして、DEATH ANGELは1990年から2004年までブランク期間ができてしまうという……この音楽性で突き進む未来も見たかった。
余談ですが、私はデスメタル(ジャンル)に入門しようとして、下調べせずに「(DEATH ANGELは)DEATH付いてるから、デスメタルだろ!」と思って買ったら、スラッシュメタルだったというオチ。デスメタルバンドは、Morbid Angelでした(なんて紛らわしい)。
Scream Bloody Gore(DEATH)
Scream Bloody Goreは、1987年リリースのDEATH 1stアルバム。前述のDEATH ANGEL(スラッシュメタル)と異なり、DEATHはデスメタルバンド。DEATHはデスメタル(ジャンル)の創世期から存在するバンドですが、音楽性を作品ごとに変えていく一面もありました。そのため、デスメタル然としたオドロオドロシイサウンドとは違った音像の楽曲が多いです。
本作の音楽性も、デスメタルというよりはスラッシュメタルの延長線上にあります。
本作と2ndアルバムは良質なスラッシュメタルと言っても過言ではなく、スラッシュメタルが好きな私には刺さりました。3rd以降はメロディが強めになったり、プログレ要素が強くなったりで、まだ馴染めていません。ただ、聴き込めばハマりそうな雰囲気を感じています。
ちなみに、本作のアルバムジャケットは結構気に入ってます。世間一般のメタルに対するイメージっぽいですし、ダークソウルっぽさが良い。
Anti(HYDE)
Antiは、2019年リリースのHYDE 4thアルバム。私はL’Arc~en~Cielが好きで、当然HYDEのソロやVAMPSも聴いていたのですが、Vamps 2ndアルバム(BEAST)から距離を置いていました。その理由は、単純で曲が良くなかったから。この時期のHYDEは「新しい音楽を聴かない」と発言し、アップデートしない自分の感性で「良いと感じる曲」を作るスタンスでした。その結果、曲(特にアルバム曲)がイマイチでした(私個人の主観です)
しかし、本作は違います。ロックからメタルに変貌を遂げた音楽性は、見事にサウンドを若返らせています。英語の発音も良くなりました。サウンドに対する意識が変わった事は、様々なインタビューで語られています。
それこそ一昨年、MIYAVIと作品を作ったんですけど(2017年発売の『SAMURAI SESSIONS vol.2』収録曲「All My Life」)、彼もそういうことを言ってたんですよ。たぶん僕が出したアイデアが普通だったんでしょうね。僕は普通でも曲が良ければいいと思っていたんですけど、MIYAVIは「もっと新しいことがしたい」って貪欲だったので、アーティストは本来はそうあるべきなんだろうなって気づかされました。それもあって、最近は自分が聴いたことのないようなメロディを探すようにしています。
HYDE(L’Arc)は、私にとって帰るべき場所(色んなアーティスト聞いて疲れた時に心地よく聞ける音楽)なので、最新作の出来が良い事は喜ばしい事です。また、作詞面も「本作収録のZIPANG」や「NOSTALGIC(本作未収録)」あたりで、繊細さを取り戻しており、曲に入り込めます。日本語歌詞、良いよね。
Loud Playing Workshop(QUADRATUM From Unlucky Morpheus)
Loud Playing Workshopは、2021年リリースのQUADRATUM From Unlucky Morpheus 1stアルバム。本作は、HR/HMの名曲をバイオリン主体でカバーしています。バイオリンだけでなく、バンド全体の演奏力が高いです。安心して聴けます。本作を2021年のベストアルバムに挙げている方が居て不思議ではない出来。
収録曲は、Far Beyond the Sum、The Dance of Eternity、Into the Arena、Hundreds of Thousands、Scarified、Eruption、For the Love of God、Techinical Difficulties、17th Century Chicken Pickin’。知っている曲が数曲ある人は、是非本作を手に取っていただきたい。
私はYngwie Malmsteen、Michael Schenker、Steve Vaiが好きなので、本作を聴いてノックアウトされました。選曲も王道でありがたい(カバーアルバムで、マイナー曲が選曲される例は結構あります)。
特に、音質と演奏の良いFar Beyond the Sunは貴重なので、本作のありがたみが大きい。
Post Human:Survival Horror(Bring Me the Horizon)
Post Human:Survival Horrorは、Bring Me the Horizonの2021年リリースアルバム。オリジナルアルバムとは別枠扱いらしい。BMTHは、CORE TUBE(メタルレビューするYouTuber、上記のリンク参照)がかなり熱くオススメしていたバンドでしたので、気になって本作を購入しました。
ゴリゴリなスラッシュメタルとは違い、サウンドと歌メロは共にフックがあり、良い意味でメタルらしくない。口ずさみやすいメロディ。デジタル感もありますが、全体的にサウンドが分厚く、ボーカルのクリーンボイス/シャウトは申し分ないレベル。個人的には、Babymetalのサウンド好きな人は、BMTHのサウンドも好きそうだなと感じました。
私は2000年代〜2010年代のメタルシーンを追っていなかったので、この新し目のサウンドを何と形容すべきか迷ってしまいます。聴きやすくて良いサウンドですが、その良さを言語化できない……
ただ、結構聴きました。トータルタイム32分で聴きやすい。
Slipknot(Slipknot)
Slipknotは、1999年リリースのSlipknot 1stアルバム(バンド名と同名)。2曲目の”(sic)”を聴いた瞬間、「the GazettEじゃないか」と思いました。「Slipknotが先出、the GazettEが後出」なのは知っていましたし、the GazettEがパクリバンドと揶揄されていた事実も知っています。しかし、サウンドがここまで似通っているとは思いませんでした。
不思議な事にドラムは軽めの音なんですが、気にならない。Metallicaの軽いドラムサウンド(4th、8th)は、メチャクチャ気になるのに。Slipknotはドラム以外にもリズム隊がいるからか(楽器が沢山鳴っているからか)、ドラムが軽い音を出していてもサウンド全体は軽くないんですよね。Metallicaは、絶対的な音数が少ないので、ドラムが軽いと致命的。
本作は、リズムを楽しむアルバム。途中で呟くように歌うワンアクセントも、2000年代のV系っぽくて好み。
WE ARE X(X JAPAN)
WE ARE Xは、2017年リリースのX JAPANドキュメンタリーのサウンドトラック。基本的には、ライブ音源を含むベストアルバムという認識で間違いがなく、目玉はドキュメンタリー用に作曲された「La Venus」
前述したようにHYDEを再び聴き始めて、「そう言えばX JAPANは新作のアルバムを出したのかな?」と疑問に思ったのがキッカケで、X JAPANも再チェックし始めました。そして、新アルバムは出ていなかった。私が18歳の頃から新アルバムを気にしていましたが、13年経ったぞ!どういう事だ!YOSHIKIのアルバム出す出す詐欺がファンサイトでネタにされてて笑ってしまった。現在はアルバムが完成しているが、発売日が決まらないらしい。
話を戻します。
本作はほぼベスト盤なので、当然聴きやすい。ただ、Silent Jealousyが収録されておらず、そこだけが残念です。Silent JealousyはX JAPANの楽曲の中で特に完成度が高く、楽器隊のそれぞれに見せ場があります。再結成後は、新メンバーのSUGIZOがバイオリンでイントロを弾いたりもしているので、Silent Jelousy(再結成後のライブ音源)を収録して欲しかった。
Absence of Presence(Kansas)
Absence of Presenceは、2020年リリースのKansas 16thアルバム。Kansasは、プログレバンドの中で最も気に入っています。本作はメンバーチェンジがあったにも関わらず、70年代のサウンドを取り戻しており、現代的な音圧(サウンドの重さ)もあります。
70年代からの熱心なファンから見れば、「プログレ感が少ない点」と「楽器隊がテンション高く応酬していない点」が物足りないかもしれません。そんな人達にとって試金石となる曲は、タイトルトラック(The Absence of Presence)、若返りを感じさせる”Throwing Mountains”、プログレ要素の強いインストの”Propulsion 1″、Leftoverture時代に近い質感を持つ”Circus Of Illusion”あたりでしょうか。
2010年代のKansasとAsiaはAOR(Adult-Oriented Rock)と思って聴くと、精神衛生上良いですね。ガツンとした一発を求めて曲を聴くより、何度も噛み締めながら聴き流すと徐々に良さが見えてきます。
Oak, Ash & Thorn(Dark Forest)
Oak, Ash & Thornは、2020年リリースのDark Forest 5thアルバム。本作は、古き良き70年代のサウンドを現代的な質感で蘇らせています。近年のOpethも70年代サウンドを追求していますが、Dark Forestの方が激しいサウンド。しかも、ボーカルがBruce Dickinson(Iron Maiden)の影響を強く受けているため、メタル感が強い。
「柔らかい音」かつ「フォークやケルト音楽」を彷彿とさせる曲が並びますが、ベースはメタル寄りなので古臭さを感じません。気になる方は一聴してみてください。ハマる人はどっぷりハマり、ハマらない人はハマらないと思います。
70年代や80年代の曲がOKな人はハマり、クサメタルやニューメタルやスラッシュ/デスが好きな人はちょっと厳しいかもしれません。NWOBHMが許せない人も、厳しいかもしれない。
選外:Asia(Asia)
Asia(邦題:詠時感〜時へのロマン)は、1982年リリースのAsia 1stアルバム(バンド名と同名)。Asiaは、70年代に活躍していたプログレバンド(UK、Yes、ELP、The buggles)のメンバーが結成したバンド。さぞかし凄まじい超絶技巧のプログレサウンドを聴かせてくれるかと思えば、本作のサウンドは80年代のパワーポップそのもの。80年代を代表するアルバムだから「そりゃそうだろ」とも言える。
プログレを期待すると、肩透かしを食らいます。ポップ化したRainbowを想像していると、おおよそイメージ通りです(Rainbowを知っている年代の人は、Asiaも知っていそうですが……)。
適度に楽器の音を聴きたくて、良質な歌メロを求めている人はハマる作品だろ思います。ポップだからと言って、90年代のサビが強烈なJ-POPをイメージしている人には合わないかもしれません。正直に言えば、私はAsiaにのめり込めず。Asiaには「適度に激しく」かつ「速いスピード」の楽曲がなく、キラーチューンがない印象です。平均点は高いのですが、「Asia聴こう!」という感じにはなり辛く。
最後に
シングルだと「うっせぇわ(Ado)」がベスト。歌上手いよね。
ロシア人と国際結婚した地方エンジニア。
小学〜大学院、就職の全てが新潟。
大学の専攻は福祉工学だったのに、エンジニアとして就職。新卒入社した会社ではOS開発や半導体露光装置ソフトを開発。現在はサーバーサイドエンジニアとして修行中。HR/HM(メタル)とロシア妻が好き。サイトに関するお問い合わせやTwitterフォローは、お気軽にどうぞ。
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