Review: On Stage Deluxe Edition (Rainbow)

収録曲

on_stage

収録曲

[DISK1]
1. Over The Rainbow/Kill The King
2. Medly: Man On The Silver Mountain/Blues/Starstruck
3. Catch The Rainbow
4. Mistreated
5. 16th Century Greensleeves
6. Still I’m Sad

       

[DISK2]
1. Over The Rainbow/Kill The King
2. Mistreated
3. 16th Century Greensleeves
4. Catch The Rainbow
5. Medly: Man On The Silver Mountain/Blues/Starstruck
6. Do you close your eyes

                              

本作発表前にリリース済みAlbumのReview

Review: Ritchie Blackmore’s Rainbow–銀嶺の覇者–(Rainbow)

Review: RISING–虹を翔る覇者–(Rainbow)

                          

Rainbow初のLive作品(曲目および演奏はツギハギ)

本作はOriginal版(DISK1のみ)が1977年にリリースされ、Deluxe版(DISK1/DISK2の両方)は2012年にリリースされました。当初は初来日公演である大阪公演(1996年12月5日、8日、9日のいずれか)を用いて、”Chase the Rainbow: Live in Japan”と銘打つ予定だったそうです。70年代は、日本でLiveした事を前面に出した作品が多かったため、このタイトルは自然に思われます。

しかし、現実的には”On Stage”へとタイトル変更されています。その理由は、単純です。「日本公演の演奏に納得できなかったメンバーが、複数の公演音源をミックスする事を選んだから」です。まず、大阪公演の演奏に納得できなかったメンバーは、16日の最終公演(東京)で収録し直しています。さらに、Still I’m Sadはドイツ公演の演奏を使用し、その他の曲もヨーロッパ公演の演奏をツギハギしました。この段階で、”Live In Japan”は相応しいタイトルではありません。

ツギハギであったとしても(ツギハギであるからこそ)、三頭政治時代(Ritchie, DIO, Cozyのラインナップ時代)の鬼気迫るパフォーマンスが音源越しに伝わってきます。ツギハギ自体は、本作の価値を落とすものではないでしょう。そもそも、Live作品の音源修正は一般的な手法です。

仮に、ツギハギが気になる場合は、DISK2を聴きましょう。Deluxe版リリース時の粋な計らいか(ミックスが面倒だったのか)、DISK2だけは大阪公演(9日)で構成されています。どうせだったら、残りの大阪公演(5日、8日)もオフィシャルリリースして欲しいものです。ちなみに、ツギハギの出自となる公演は、ファンがBootleg音源(海賊版)を検証して、あらかた解明されています(参考)。

                           

曲数も、選曲も不思議なセットリスト

本作で不思議な点は、セットリストでしょう。セットリスト全6曲(DISK1)の内、他バンドの曲が2曲(Still I’m Sad, Mistreated)、当時リリース前の曲が1曲(Kill the King)、1st(銀嶺の覇者)からの3曲で構成されています。曲数が少ない事もさる事ながら、Rising(虹を翔ける覇者)からの選曲が皆無です(Risingの楽曲は、DISK2のDo you close your eyesのみです)。

Risingからの選曲が少ない理由は、ある程度推測できます。Risingの楽曲は、純粋なバンドサウンドでなく、フィルハーモニーが下支えています。そのため、Live再現が厳しかったと推測できます。しかし、曲数の少なさに関して、説得力のある理由がありません。Deep Purple時代のMistreatedをプレイするのであれば、他のDeep Purpleの名曲(後年のRainbowで演奏するBurn、Smoke on the waterなど)もプレイすれば良かったのではないかと考えてしまいます。

しかし、この感覚(考え方)は、商業ロックを経由した2019年現在だからかもしれません。1970年代は、JazzとRockが身近な存在だったので(お互いに歩み寄りがあったため)、ロックの世界でも即興演奏が評価される土壌がありました。Jazzにも造詣が深いRitchieは、Purple時代からLiveで曲数を増やさず、曲中で即興演奏してきました。つまり、即興演奏する事を前提で考えれば(過去のDeep PurpleのLiveを踏まえて)、「セットリストは6曲で充分」と判断したかもしれません。

即興演奏の長さは、以下の動画からも確認できます。原曲の倍近い長さを演奏しています。

                          

曲調が激変したStill I’m Sad

本作を語る上で外せないのは、Still I’m Sadでしょう。原曲は、The Yardbirdsが1965年にリリースしており、現代であれば「宗教色が強い」と評されそうな、陰鬱としたロックサウンドです(下動画)。宗教色を感じる理由は、グレゴリオ聖歌(8〜9世紀に成立した歌曲)を参考にしたメロディラインのため、「クラシック歌曲→教会っぽい→宗教」と連想してしまうからかもしれません。

      

Rithcieは、同曲をRainbowの「1st(銀嶺の覇者)」および「8th(Stranger in Us All)」で取り上げています。1stに収録されているVersionは、インストです。ボーカルが不在である事とドラムの軽さで、聴きやすいギターインストレベルに留まっています。

        

最後に、本作(On Stage)のStill I’m Sadです。こちらは楽曲のテンポが上がっています。Ritchieのギターが珍しく切れ味よく、その裏でCozyが力強くドラミングをしているだけで、HR然としたサウンドに生まれ変わっています。Tony Carey (Keyboard)も印象的なフレーズを弾いており、そんな中にDIOの歌声が乗っかれば、拳を突き上げざるを得ない状態です。本作のKill the Kingに並んで、テンションの高いベストアクトと言えるでしょう。

下動画は、本作に収録されているStill I’m Sadの加工元となったNurnberg公演(ドイツ、1976年9月28日)の演奏です。

                    

好きな一曲

Still I’m Sad

Tony Carey(Keyboard)がRitchieを無視して、Keyboardソロを始めて面白い。

                        

次作のReview

Review: Long Live Rock ‘n’ Roll–バビロンの城門–(Rainbow)

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2件のフィードバック

  1. 2019年6月15日

    […] Review: On Stage Deluxe Edition (Rainbow) […]

  2. 2019年6月15日

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