前書き
自動化Script作成時に、Bash (Shell Script)ではなく、RubyやPython3を用いた方がScriptのメンテナンス負荷が低くなります。自動化Scriptに使用するプログラミング言語変更を目的として、各言語の実装を比較します。
本記事では、root権限を確認する方法を比較します。比較では、実装例および実行例をそれぞれ示します。
Bashではなく、RubyやPython3を使った方が好ましい理由は、以下の記事に記載しています。この記事には、各プログラミング言語の様々な実装（ディレクトリ操作やファイル操作など）を比較した他記事へのリンクを一覧にまとめています。
各言語のVersion
- Bash：GNU bash, バージョン 5.0.3(1)-release
- Ruby：ruby 2.5.5p157 (2019-03-15 revision 67260)
- Python：Python 3.7.3
比較：root権限を確認する方法
自動化Scriptでは、root権限を持つユーザしか実行を許可したくない場合があります。root権限の有無を確認する場合は、実行ID(EUID)とUIDを確認します。実行ID(EUID)は権限を定義するためのIDであり、UIDはユーザやプロセスを特定させるIDです。
通常の環境であれば、rootはEUID / UIDのどちらも0です。より正確に検証する場合は、ユーザ名がrootかどうか等も確認した方が好ましいですが、本記事ではEUIDとUIDのみを確認する方法を紹介します。
以下に、各言語の実装例および実行例を示します。
Bashの場合
#!/bin/bash
# 実行UID(EUID)とUIDを確認し、
# "0"(root)であれば管理者権限を持つ。
# ":-"部分は${EUID}に値が入っていなければ、${UID}の値を代入するという意味
if [ ${EUID:-${UID}} = 0 ]; then
echo "管理者権限を持っています。"
else
echo "このスクリプトの実行には、管理者権限が必要です。"
fi
Rubyの場合
#!/usr/bin/env ruby
# 実行UID(EUID)とUIDを確認し、
# "0"(root)であれば管理者権限を持つ。
if Process.euid == 0 and Process.uid == 0
puts("管理者権限を持っています。")
else
puts("このスクリプトの実行には、管理者権限が必要です。")
end
Python3の場合
#!/usr/bin/env python3
import os
# 実行UID(EUID)とUIDを確認し、
# "0"(root)であれば管理者権限を持つ。
if os.geteuid() == 0 and os.getuid() == 0 :
print("管理者権限を持っています。")
else:
print("このスクリプトの実行には、管理者権限が必要です。")
Bash、Ruby、Python3の実行例
$ ./bash.sh
このスクリプトの実行には、管理者権限が必要です。
$ sudo ./bash.sh
[sudo] nao のパスワード:
管理者権限を持っています。
$ ./ruby.rb
このスクリプトの実行には、管理者権限が必要です。
nao@debian:~/scripts$ sudo ./ruby.rb
管理者権限を持っています。
$ ./python.py
このスクリプトの実行には、管理者権限が必要です。
$ sudo ./python.py
管理者権限を持っています。