ロシアに潜んでいたくまのプー”Винни-Пух(ヴィーニ・プーフ、ソ連版くまのプー)”

Винни-Пух(ヴィーニ・プーフ)とは

この世には3種類のプーが存在します。

  1. ディズニー版 くまのプーさん(原作はA.A.ミルンの小説)
  2. ロシア版 くまのプーさん”Винни-Пух(ヴィーニ・プーフ)”(原作はA.A.ミルンの小説)
  3. 児童小説版 クマのプーさん(A.A.ミルン)

くまのプーと聞けば、大抵の日本人はディズニーによるアニメを思い浮かべるかもしれません。はちみつが異常に好きで、おバカな発言をするぬいぐるみ。それがディズニー版のプーさんであり、ミッキーよりも公式グッズ売上がある程、人気があります。熊なのに黄色くカスタマイズされた見た目から分かる通り、言動や性格、振る舞いも大げさにデフォルメされている印象があります(以下、ディズニー公式動画)

     

その一方で、ロシア版プー(正確にはソ連のプー)は、見た目がキチンと熊っぽいです。丸い見た目のせいか、一部界隈では「むしろタヌキ」と言われています。製作期間は1969年〜1972年の間で、三本の短編アニメ(10分)が存在します。ディズニー版の初出が1966年であるため、ヴィーニ・プーフは後発です。

プーフの世界観は、児童小説であることを意識してか、クレヨンで書かれたような背景となっています。人によっては洗練されていないと感じるかもしれませんが、私は味があってこの絵柄も好きです。

    

登場するキャラクターにも差異があり、ロシア版にはクリストファー・ロビンやカンガ・ルーが存在しません。その他のキャラクターは登場しますが、名前が異なっていたり(例:ディズニー版はピグレット、ロシア版はピタチョーク)、デザインがディズニー版と(当然)異なります。

上記の動画2本(ディズニー版、ロシア版)は、共に同じストーリーです。話の大枠は、プー(プーフ)がウサギの家にお邪魔してハチミツをご馳走になったが、食べすぎた結果、玄関(穴)にハマって出られなくなってしまう、という内容です。しかし、細部が異なり、「ハチミツを貰うくだり」や「プーが穴から抜ける方法」などが顕著に違います。

 

最後に原作である小説版に触れると、原作版はクリストファー・ロビンのお父さんが頻繁に登場します。作者であるA.A.ミルンは、自身の息子(クリストファー)が動物のぬいぐるみで遊ぶ姿からインスピレーションを受けて、クマのプーさんを執筆しました。そのため、世界観は「お父さんとクリストファー・ロビンのいる世界(現実)」と「クリストファー・ロビンとぬいぐるみ達(空想)」で成り立っています。

小説版はプーが哲学的であったり、登場キャラクターの成長が描かれていたりして、可愛さを強調したキャラクターメインのストーリーとは異なります。原作版が好きな人がアニメを見ると、違和感を感じる理由も納得できます。

                

ロシア人によるВинни-Пух(ヴィーニ・プーフ)への反応

「衝撃的なプーさん」、「おじさんみたいな声」と言いつつ、ロシア人にとって懐かしいアニメである事が伝わってきます。ちなみに私は、この動画経由でプーフを知りました。

                

癖になる劇中歌

プーフ自身が唄う劇中歌(下動画)は、中毒性があり、思わず口ずさんでしまいます。

      

歌詞は、以下の通りです(和訳は参考程度に)。

Если я чешу в затылке Не беда
(頭をかきむしっても大丈夫)
В голове моей опилки
(中にはおがくず詰まってる)
Да, да, да
(うん、うん、うん)

Но хотя там и опилки
(けれどもおがくずはあるが),
Но кричалки и вопилки
(わめき声やつぶやき),
А так-же шумелки, пыхтелки и сопелки Сочиняю я неплохо иногда.
(おまけにざわめき 喘ぎ声、笛の音、僕って歌心あるかも)
Да!
(うん!)

Хорошо живёт на свете Винни Пух,
(ヴィーニ・プーフの暮らしは素敵)
От того поёт он эти песни вслух.
(だから唄うよ 声高らかに)
И не важно, чем он занят,
(何してたって関係ないね)
Если он худеть не станет,
(もしもやせる気ないのなら)
А ведь он худеть не станет –
(やせる気なんてないんだから)
Если конечно вовремя подкрепится.
(食事の時間だ)
Да!
(うん!)

                

ロシアの大御所バンドАРИЯによる楽曲提供

ロシアには、日本のX JAPAN相当の大御所メタルバンド”АРИЯ(アリア)”がいます。このАРИЯがプーフに楽曲提供をしています。日本で言えば、X JAPANがドラえもんに楽曲提供した感じでしょうか。動画からは、経緯がサッパリ分かりません。

   

この歌の歌詞は、かなりブラックメタル寄り。以下、一部抜粋。

  • 熊と子豚が生と死を語りながら、蜂蜜を求め彷徨う
  • 豚に見えるが、実はルシファーなんだ
  • 熊を飛ばせし風船は、さながら素晴らしき羽のよう
  • 樹のうろから死(蜂)が彼に微笑みかけ、彼(熊)は罠と悟る
  • 空から撃ってくれ ピタチョークと叫ぶ
  • 悪意に満ちた運命(空からの落下)がのしかかる
  • すべては、虚ろな目をしたルシファーの策略――

ある程度、歌詞を理解してから以下のMADを見ると、「ああ、確かに歌詞通りだ」と分かります。

 

АРИЯ(アリア)に興味がある方は、以下のАРИЯ(アリア)についての記事を確認して下さい。

Review: Игра с огнём(АРИЯ)

あわせて読みたい

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です